例えば同じアングルで同じキッカーの映像を撮っていたとしても、そこにオリジナリティをプラスし、ひと味違った色を出してくるフィルムプロダクション、Absinthe Films。
前作FutureProofでは木に登ってその横を飛んでいくライダーを撮影するなど他にないユニークな映像を見せてくれましたが、今作MOREではさらにそのスタイルを進化させ、木と木の間を通したケーブルをカメラマン自らぶら下がり、滑るライダーを追うというカメラワークを試していて、これがなかなか素晴らしい。
トップライダーがすごいという事はみんなわかっているけれど、実際滑っている山や飛んでいるキッカー自体が現実にはほど遠い世界のもので、あまりリアリティがないというのが現実な中で、降りていく連続マッシュのサイズやその斜面の斜度、さらにライン取りなどまでが見えて、体感することができます。
さらにそのフッテージを撮影するにあたってチョイスされているライダー3人がまさに今作MOREの注目の3人、BURTONが誇るヨーロピアンライダー2人、NICOLAS MULLERにGIGI RUF、さらにフリーライディングの聖地、USAジャクソンホールが生んだオールマウンテンライダー、TRAVIS RICE!!
NICOLAS MULLERはスイス出身のライダーで、ビッグエアなどの大会にも出場し、その運動神経と柔らかい身体を存分に活かしたライディングに定評があります。
GIGI RUFはオーストリア出身のライダーで、これまたやわらかい身体をもち、ヨーロピアンらしいセンスがライディングにもみえるライダー、個人的に超好き(笑)。
TRAVIS RICEはもう知らない人はいないであろうほどのビッグネームとなりましたが、その総合滑走能力は誰もが認めるもので、全然コケる気がしないかんじがするのがマジでやばいです。
この3人に共通するところをひとつあげると、基本はもちろん最先端のスピン技なんですが、その中にメソッドやトゥイークなどのひねり技やハンドプラントなど渋い系の技を入れてくるところ。そのセンスに個人的にかなりやられます。
さらに当て込んでスラッシュしたあとのヒットでまわって、さらにもうひとつ下のウィンドリップに当て込むなんてルーティンをアラスカの極限のフッテージに持ち込んで、次世代の空気を作ったのもこの辺のライダー。
まさにそれはJOHAN OLOFSSONやJEREMY JONESがイメージし、トライしていたライディング。その世界を具現化し、進化させたヨーロピアンライダーの功績は大きいと言えるでしょう。
フリーライディング以外の注目としてはMFMことMARK FRANK MONTOYAが出演しているところ。
個人的にはあまりレールシーンとかに興味ないんですが、そこはやっぱり本物。迫力が違うかんじがします。
レールやドロップオフのサイズがケタ違いですし。
Absintheならでは?の充実のボーナス映像も豊富!!
ちなみにボーナスで付いてくるミュージックCDはSCOTT SULLIVANというミュージシャンのアルバムで、ジャンルはギターロック。
なかなかいいかんじです。
着実に近づいてくる冬を想いながら秋の夜長を興奮して過ごせる映像作品、おすすめです!!
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