遊歩道のそこかしこで座り込んで、ドクダミだのムラサキツユクサだの写真を撮っているから、ワタシだって怪しいが、最近別の怪しいグループがいる。
今日は何を撮ろうかとカメラを片手にぶらぶらしていたら、前を行くおじさんが急に足を止めた。
朝の体操でも始めるのか、両手を開いて足踏みしている。
やり過ごして、傍らの花が目についてしゃがみ込んで驚いた。
左右を短く確認した体操おじさんは、ひょいひょいと植え込みの奥へ入って行った。
何か拾ってるみたいだ。
ほんの10秒ほどでおじさんは出てきた。
梅だ。
両手にいっぱいの梅をジャージのポケットにつめると、嬉しそうに笑って横断歩道を渡っていった。
その照れた笑いが「梅酒」と連想させた。
こんな感じのおじさんに対して、おばさんはまた別の動きをする。
2−3日前から見かけるおばさんは、毛足が長く顔がつぶれた小犬を連れて悠然と柵をまたいで入っていく。
ピンクとゴールドで縁取られたハンドバックからコンビに袋を出してどんどん詰めていく。
重さで袋が細長くなっているから結構な量だ。
コンビニ袋はおばさんに共通するようで、写真を撮ってる横で熟年カップルが梅を拾った。
「あら、いっぱい落ちてる。拾っちゃおうかしら。ここまでなら入っても大丈夫かしら。平気よねぇ」
そう言って見る見るうちに両手に数個の梅を手にしている。
そこへ別のおばさんが声をかけた。
「袋あげましょうか?」
・・・・・。
おばさんの勝ち。
キ
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