「季節の変わり目だし、溜まった疲れが出たんじゃないですか・・・」
医者はそう言って、注射の用意を始めた。
一昨日の夕方だ。
店で作業をしていたら、急に左足の付け根が痛くなって、まっすぐ歩けなくなった。
台から落ちたとか特別なことなく、いきなり痛み出したのだ。
しゃがんだり、かがんだりができない。
痛いから、痛くない右足を軸にして腰を振り出し、足の重みで左足を運ぶように歩く。
何をするにもヨチヨチする。
ちょうど、外科医のお得意さんが来たので、「どうしちゃたかな?」と聞いてみると、彼は慌てる様子もなく「低気圧が来てますからねぇ、そういうのとかって関係あるんだと思いますよ」と言って、目的の「Arc'teryx/ Minuteman Bib」を熱心に試着している。
一刻を争うことではなさそうだ。
昨日になってもあまり症状は変わらず、見かねた夏平が、
「そういうのって、風邪とかみたいに、寝てれば治るとかじゃないから、早めに医者行った方がイイっすよ」
こういうところは、夏平は、優しい。
こんな時ばかり世話になる整形外科があって、今朝一番で診てもらった。
レントゲン室で、ワタシの腰の位置に器械を移動しながら、「去年の夏から、BMXにメチャはまりしてるんですよ」と、医者はニヤッと笑った。
この人は、スノーボードもサーフィンもこなし、整形外科医のくせに、怪我ばかりしてる。
だから、調子が悪くなってすがって行っても「スポーツをして悪くなる人もいれば、スポーツをしないから悪くなる人もいる」と、てきぱき処置してくれるからありがたい。
「前のMRIで、その気があるかなと心配してたんですけど、椎間板ヘルニアじゃないですね。一時的な座骨神経痛でしょう。注射と薬で治りますよ」
2枚のレントゲン写真を見ながらそう言った。
座骨神経痛かぁ。
その病名は知ってたけど、こんな病気とは知らなかった。
キ
最近のコメント