長く生きるという事は、いろんな目に遭うという事だと、覚悟はできたつもりだったけど、こんなのは初めてだ。
朝、店に着くと、人気の少ないうちに写真を撮ってしまおうというのが、ここ最近の行動パターンだが、今朝ふと見ると青い人形がぶら下がっている。
しかも、よりによって、ワタシが観察しているその枝に、引っかけてあるのだ。
体調約5cm。
見た瞬間、むかついて、ちぎってゴミ箱に捨ててやろうと思った。
手が出かかったが、何かがそれを止めた。
「人形だぞ」
そう思ったら、スッと寒気がおそった。
まさか。
ワタシが毎日観察する枝に人形ぶら下げて、何か恨みでも晴らそうというのか。
見ると、人形は、引っかけてあるのでなく、枝に縛ってある。
人形に目はない。
エ、エェーッ!?
そんな恨みを買う覚えは・・・。
まず落ち着こうと思い直し、店を開けて、保温ボトルのお茶を飲んだ。
怨念はどうであれ、事実は受け止めなければならぬ、写真を撮ろう。
そうだ、落ち着け。
写真を撮るにはアングルを気にする。
全方向から眺めた。
上の写真を撮ったあとも、何枚かシャッターを切りながら考えた。
「それにしても、何のために結んだんだろ?」
そう考えたら、ストンと思い当たった。
「なんだ、これは子供達がカバンにつけてるアクセサリーじゃないか」
「振り回して、ひもがちぎれて落ちていたのを、親切な人が拾って、目立つところに結んでくれたんだ」
「なんだ・・・」
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